鉄道ファン１９６７年１１月号

約５５年前の鉄道事情が知ることが出来る貴重な資料です。巻頭記事は、６７年１０月１日の国鉄ダイヤ改正に伴って平機関区Ｃ６２他の蒸気機関車のお別れ会や各地の電化完成式が写真と合わせて紹介されています。新車として登場した５８１系特急形電車(月光やみどり)も、いろいろな角度や内装の写真ごとに解説されています。また、昔は普通に見ることができた郵便専用電車(クモユ１４１形)のデビューも外観や内装写真とともに紹介されています。１０月の改正に伴った首都圏及び近郊の路線についての動向記事は、当時を知る貴重な資料と言えます。第一線を走る動力車乗務員の運用は、素人ではわからないことが細かく説明されていますし、差し込まれた蒸気機関車の走行中の機関士と機関助手の姿は、動いていないのに緊張感が伝わる写真で鳥肌が立ちました。今号で取り上げられた撮影ガイドは、呉線、高山線、見延線なのですが、地図とともに蒸気機関車の通過時間が掲載されており、当時の運用を知ることができます。大阪南部の上町や岡山電気軌道に岐阜市内線で走っていたトローリーバスの写真は、知る人には懐かしい光景だと思います。
「九州から姿を消すＳＬ」のリポートでは、鹿児島機関区、鳥栖機関区、柳ケ浦機関区、他に残る蒸気機関車の番号毎の動向が細かく報告されています。また、各地の細かなローカルニュースでは、今は梅小路機関区にその姿を見ることができるＣ６２１が解体の危機にあった記事や電化目前の御殿場線の現況他、当時を知る貴重な資料が多数記載されています。本の状態は、半世紀以上前の本としては、極上です。黄色のスプレーは、画像の二次使用防止のため、画像上で処理したものですから、実際の現物にはありませんのでご安心ください。落札後は、ノークレーム・ノーリターンとなります。